鉄人小橋復帰

朝一で見た。
入場シーンから泣きながら見た。涙が止まらなかった。久しぶりに大泣きした。
主治医に「まず生きましょう」と言われた男がリングに向かって歩いている。腎臓を片方失った男がリングに立っている。脱水症状は絶対禁止と言われた男がリング上で汗を迸らせ叫んでいる。
奇跡を見た。
そして奇跡は尋常ではない努力と諦めない気持ちがあって起きるのだと小橋を見て思った。
復帰するだけで十分、と思っていた。しかし見事にその思いを小橋は裏切った。約一年半ぶりの、がんを克服した者の動きには見えなかった。ただの復帰戦ではなかった。ただリングに上がるだけでいいとファンは思っていたのに、ただリングに上がるということを、小橋が一番嫌がっていた。
ムーンサルトプレスが出た瞬間、涙がさらに止まらなくなった。
小橋建太を表す言葉としてこの日泣きながら解説をしていた本田多聞「レスラーとしてだけじゃなく、人として最高のお手本です」という言葉を超えるものはないと思う。
実況の矢島学アナの、小橋が三沢の雪崩式エメラルドフロウジョンで3カウントを取られ負けた瞬間の「小橋が勝ちました!腎臓がんに勝ちました!」は全く違和感を覚えない名言だった。
小橋建太は素晴らしい。その小橋が好きなプロレスは素晴らしい。
頑張る気持ちをもらった。これからも小橋を見て元気をもらい、頑張ろうと思うだろう。
小橋、ありがとう。