恐ろしさと不気味さ。途中までは普通だったのだが、不可解な自殺の原因がわかる中盤以降は一気に恐ろしさが増してくる。そしてクライマックスに向けては不気味さがどんどん増していく。文字なのに思わず目を逸らしてしまいそうな描写もあるが、気持ちはグングンと引きこまれていく。この小説のテーマでもある恐怖と快楽、恐怖から快楽への転換に近いのかも。
浴槽のシーンは本当におぞましかった。文字なのに頭の中にはっきりとその情景が浮かぶ。アレがもう最後の段階になり、もうやめてくれ、何もないまま終わってくれという懇願の気持ちになる。もちろん平穏無事には終わらない。
たくさんの犠牲があったけれど、最後が救われる結末でよかった。いやあ、おぞましかった。
- 作者: 貴志祐介,酒井和男
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2000/12/08
- メディア: 文庫
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