『青い鳥』を読んだ

そばに、いるんだ。
中学校の臨時講師村内先生は吃音でうまくしゃべれない。でも、だから、「たいせつなこと」しか言わない。
村内先生の言う「たいせつなこと」は八つの短編全てに違う言葉で入っている。ここで書くよりも実際に読んだほうが絶対にわかる。どの短編も心打たれる素晴らしいものだったが、「ハンカチ」、「カッコウの卵」が特によかった。両作品で泣いてしまった。
村内先生が現実の世界にいたらどれだけの子どもが救われるのだろう、と思った。それは現実的には無理なので、この作品が中学校の図書館や中学校近くの本屋に目に付くようにあればいいのにな、と思った。それくらいこの「たいせつなこと」は感情を刺激し救いを求める子の救いになると思う。もちろん大人でも変わらない。また、救いを求める子ども以外にも、先生と呼ばれる全ての方にも読んでほしいと思った。
素晴らしい作品だった。重松作品の中でもややクサさがある感じだったが、それすらも狙ったかのような各作品のクオリティの高さ。多くの人にこの本が読まれたらいいのにな、と思った。とにかく多くの人に読まれてほしい。
この夏一番のおすすめ本。

青い鳥

青い鳥