『火車』を読んだ

失踪した甥の婚約者について調べるうちに驚愕の真実が・・・と書けば単純に思えるけれど、実際はその中身がとても深く濃い。失踪した理由を調べると婚約者とは何者なのかという疑問が出てきて、さらにそれを調べるとまた新たな疑問が出てくる。
中盤から後半にかけてぐっと重さと現代的な恐怖が出てくる。恐ろしさと悲しさが読後残った。小説の世界だけれど現実の世界にあってもおかしくない、あるかもしれない話。ぞっとした。全て読み終えてから改めて表紙の装画を見るとさらにぞっとした。
過激な表現はないのにどんどん闇が見えてきて恐ろしさを感じる一冊。

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)