『中陰の花』を読んだ

「人は死んだらどうなんの?」という誰もが抱く素朴な思いと、この世とあの世の中間=中陰を見つめ一つの考えを示している。僧侶の則道が極楽や地獄があるのかという質問に「知らん」と答えたり奇跡を見た人に対しあの人は精神の病ではないかという思いを抱いたりと、僧侶という立場に変に固められずに語っている。
ウメさんと即道夫婦、徳さんと世界は狭いけれど考えは深くなっている。科学の話も交え生と死について書かれているので変な宗教本ではない。エセ科学や怪しい教えが蔓延する世の中だからこそ純粋な仏教の考えを知ることが大切なのではないかと思う。

中陰の花 (文春文庫)

中陰の花 (文春文庫)