2008-04-30から1日間の記事一覧

『ブルーベリー』を読んだ

いいねぇ。12の話のどれも読み終わった後そう言ってしまった。いいなぁ、じゃなく、いいねぇ。自分の過去と重ねてしまう話の数々。 切なさと温かさがまじりあった話。フィクションの中のそれらを感じたとき、自分が今までにそういう気持ちになったときのこと…

『詩的私的ジャック』を読んだ

展開は淡々、時々違和感を抱く会話、動機に重点は置いていない方針にしても無理のある犯人の考えと、全体的に消化不良だった。つまらないというわけではなかったけれど、盛り上がりに欠けたまま終わった感じがした。詩的私的ジャック (講談社文庫)作者: 森博…

『東京漂流』

今、日本で生きているなら、今、読まないといけない本。 1980年代初めの金属バット両親撲殺事件や、深川通り魔事件、ヨガ教師失踪事件、東京最後の野犬などについての記事があるが、そこで著者が思ったこと、考えたことが色褪せず現代にも言える。30年近く前…

『邪魔(上)(下)』を読んだ

主婦、高校生、刑事の「普通の生活」が崩れ落ちていく様を恐ろしく自然に描いた作品だった。「自然に」崩壊が進んでいくので、その過程がとてもリアル。小説的な匂いがするのに過程は現実的な匂いがぷんぷんする。それだけに読んでいて緊張するし恐怖を感じ…