『小川未明童話集』を読んだ

童話が読みたいと思い手にした一冊。
童話らしい作品もあれば、人の悪い面が見えて悲しみやさみしさを残す作品もある。前者はまるで色が見えるような煌びやかな幻想の世界に入ることができ、後者は架空の話ながら現実の世界でのことを考えさせられる。
文章の表現、設定など一つ一つに独創性が感じられ、似たような話がない。人間の悪や汚さを見せ、そこから善と清らかな精神を強く見せることで、現実の世界の自らを省みて理想の世界の美しさを味わえる。

小川未明童話集 (新潮文庫)

小川未明童話集 (新潮文庫)