19歳の女性が刺殺された。犯人が刺した理由は「刑務所に入りたかった」。そんな理不尽な理由のために「たまたま」そこにいた女性が殺された。私はもちろんその女性と面識がない。それでもものすごく悲しくなった。全く非がないのに殺される。しかもめった刺し。犯人は意味不明なことを言っていて、刑事責任能力の有無を問われるかもしれないそうだ。人を殺して気が動転しないはずがない。意味不明なことを言ったからと言ってすぐにそんなふうになるのは被害者のことを全く考えていない。
この女性はこんな最期のために生きてきたわけではない。「たまたま」「それが運命だった」ですまされるわけがない。自分より年下の人が亡くなる、この事実が重く胸にくる。明日のことを考えて帰宅しようとしていたのだろう。明日だけじゃなく漠然と、あるいはしっかりと将来のことも考えていただろう。やりたいことなんて数え切れないほどあっただろう。会ったこともないこの女性のあるはずだった今後を考えると、どうしようもなく悲しいぽっかりとした気持ちになる。
法律のことや死刑廃止制度のことはほとんどわからない。だから無知の人間の100％主観的な意見になるが、犯人は死刑になるべきだと思う。今の日本の法律では一人殺しても死刑にならないらしい。おかしいと思う。被害者、及び遺族、被害者の友人らのことを真剣に考えたらそんなことにはならないと思う。そんなことを言ったらハンムラビ法典の時代の考えになってしまうが、もし私が遺族の立場なら「殺してやりたい」と思うだろう。
普通に生活していれば人を殺すなんてことはない。普通にしていれば絶対にやらないことをやった者は厳罰に処されるべきだと思う。「普通」なら全く問題ないことなら、それを破った場合に重い刑があっても全く問題ないはずだ。「殺人」、普通なら絶対にやらない。それなら殺人を犯した場合はどんなに重い刑であろうがかまわないはずだ。話は逸れるが「万引き」だって普通なら絶対にやらない。「絶対に」と言い切ってもいい。ならば万引きだってもっと厳罰にしてもいいと思う。そもそも万引きという言葉をやめて窃盗で統一してほしい。万引きだって被害者の店の経営や経営者の気持ちを考えたらもっと厳しくしてもいいはずだ。厳罰化による抑止力の効果もあるはずである。
「普通」に過ごしていた女性が「普通じゃない」人間に「普通」の日々を壊され「普通じゃない」人生の終わり方をむかえた。このことを考える。やはりやりきれない。理不尽すぎる。
この事件も今は大きく取り上げられているが、やがて時間が経てば扱いが小さくなり、忘れられていく。毎日事件は起こり、昔の事件の印象は薄くなっていくからある意味仕方のないことかもしれない。私だってだんだんとこの事件について思い出すことは少なくなっていくだろう。しかし遺族と被害者を知る人は一生忘れない。世間から忘れられていく中で、一生この事件を背負う人達が日本のどこかに必ずいる。
法律だとか罪だとか無知の人間がうだうだ言った。私の考えなんか一時の感情にまかせて一気に書いているだけなのかもしれない。しかしそれでも書きたかった。結局この女性はもう戻ってこない。もう何度もあらゆる場面、事件で言われている言葉だがもう戻ってこない。これだけは間違いなく事実だ。
ただただ、この女性の冥福を祈る。
