西村賢太、北町貫太は永遠になってしまった

西村賢太さんが亡くなった。号外通知でニュースを見た時は思わず声が出てしまった。


芥川賞受賞した際の会見での発言で興味を持ち、それで苦役列車を読んだら猛烈に面白くてハマり、それからほぼ全作品を読んだ。破滅的で自己中心的で自分の欲求に素直に従う、でもどこか臆病という作品が深く心に刺さり、本人が気にしていたマンネリさなんて関係なく、毎回ほとばしる歪んだ熱に夢中になっていた。この10年で新たに読み始めた作家の中で一番好きだった。
作品だけでなく本人も強烈で、テレビでの歯に衣着せぬ発言や、そこでトラブルになったことを包み隠さず連載で書くなど、人間的にもとても魅力的だった。一度西村賢太にハマるともう抜けられない。


その西村賢太さんが亡くなってしまった。日常描いた作品読むとわかるように、私生活は昼夜逆転、弁当やジャンクフードドカ食い、よく飲むと無茶苦茶だったから、それがたたったのだろうか。その私生活も魅力的で面白かったのだけど。



もう新作を読めない、新しく発言することもない、そのことがとてもとてもショックだし残念だし悲しい。まだ54歳、若すぎる。こんな無茶苦茶で、近くにいたら絶対迷惑で、でも愛おしいぶっとんだ人はもう二度と出ないだろうな。合掌。