痛快。調査も推理もしない「探偵」榎木津礼二郎が自分が面白いと思ったもの全てを粉砕する3つの中篇。
榎木津にかかわるとものすごい馬鹿になるという京極堂の言葉どおり無茶苦茶になる。
読んでいてスカッとする。京極堂本シリーズのダメ役が関口ならこっちでは本島になる。『百器徒然袋 雨』では最後で名字がわかったが、『風』の最後でようやく氏名が全てわかった。その氏名が判明するときの話がとても素晴らしい。榎木津の本当の素顔がちょっとだけ見えた気がした。この終わり方が素晴らしい読後感につながった。絶対にかかわりたくはないが。
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/07/06
- メディア: 新書
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