支度と始末合わせて2018ページ。スケールが大きすぎて一気に読まないとわからないと思った。
今回もタイトルが素晴らしく合っている。『塗仏の宴』、『塗仏』と『宴』。シリーズ中最も殺人被害者が少ない、宴=ゲームが開かれている。「宴の支度」では謎だらけで全く全体像、真相がわからず準備本・支度本という感じで、すぐに「宴の始末」を読みたくなる。
本末転倒、どんでん返し、催眠、家族。
複数の団体、多くの登場人物、それらの相関などが非常に複雑なので始末を読んでいるときに支度をもう一度開いたりもした。
かなりの大風呂敷が広がっている。本当に収斂するのだろうかと思って読んでいたが始末のラスト100ページちょっとで明かされ憑物が落とされた。よくこれだけ同時多発的に事件が起きているのに全部まとまったなあと思った。終盤の全てが一つにむかっていく場面は本当に百鬼夜行に思えた。もちろん百鬼夜行を見たことはないけど。
非常に登場人物が多いけど本作は榎木津が最高にかっこいい。いきいきと動いている。
姑獲鳥の夏の憑物落しから今回の塗仏の宴まで実際には一年しか経っていないと気付き驚いた。一年で姑獲鳥に魍魎、狂骨、鉄鼠に絡新婦と京極堂の周りでこんなにすさまじい事件が起きている。京極堂にはなれないしなりたくないなと思った。うへえ。
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