『今昔百鬼拾遺 天狗』を読んだ

3冊連続刊行の最終作。今回も敦子が謎を解く。鬼、河童と来て最終作は天狗。天狗の人さらいかと思わせるような奇怪な事件が起こる。
昭和初期の時代にLGBT事情を絡めていて、未来を予見しているかのような展望が描かれている(現代の人が書いているから当然そうなるのだけど)。
LGBTに天狗が絡み、全く理解不能な事件は読み進めていくと最後は憤怒に包まれる。なるほど、確かに妖怪の天狗と天狗になるなどとたとえられる天狗の2つの「天狗」がしっかりテーマとしてあるなと伝わってくる。
これで百鬼夜行シリーズ3作連続はおしまい。恒例の講釈もありあの雰囲気が出ていたけれど、やはり京極堂やあの面々が出ないと物足りない。講釈も京極堂がたれないと何か深みが足りなく感じる。早く鵺の碑出して!


今昔百鬼拾遺 天狗 (新潮文庫)

今昔百鬼拾遺 天狗 (新潮文庫)