『カカシの夏休み』を読んだ

重かった。「カカシの夏休み」「ライオン先生」「未来」のどれも重かった。しかし読んで本当によかった。どこかでいつも思っている、だけどうまく言葉にできない、そんなもやもやがこれを読んで抜けていった。
ライオン先生」でライオン先生が言う
「親や教師はお手本なんかじゃない。ただ、オトナなんです。努力や我慢がほんとうは報われないことをコドモより知っていて、でも、いつか報われるんだとコドモより信じてて……信じたいですよね、ぼくら……」
という言葉が一番心に残った。ライオン先生と同じ40代まではまだまだだけど、今の時点でも努力が我慢がほんとうは報われないことをどこかで気付いている。でも、でも、というもやもやがその後の「でも、いつか報われるんだとコドモより信じてて」という言葉で抜けていった。確かに「報われるんだ!」と信じている気持ちは子供の頃より強い。
たくさんの人に読まれてほしい作品。

カカシの夏休み (文春文庫)

カカシの夏休み (文春文庫)