『百鬼夜行 陰』を読んだ

姑獲鳥の夏』から『塗仏の宴』までの登場人物のサイドストーリーが10編。姑獲鳥から塗仏まで読んでから読むと「ああ、この人はこういうことがあったんだな」と思いながらそれぞれの話を再度思い出してしまう。姑獲鳥での京極堂のところに最初に行く前の関口の話もあるけれど、関口君、君完全に病気だよ。そりゃ姑獲鳥であんなことになる。
どの人物も憑かれている。もしかしたら人間はみな何かに憑かれているのかもしれない。傍からは異様に見えることも当人からしたら極普通のこと。現代もそれは変わらないと思う。
サイドストーリーとしては興味深く読めるけど、肝心の憑物落としの京極堂が出てこないのでそこが消化不良気味。

百鬼夜行 陰 (講談社文庫)

百鬼夜行 陰 (講談社文庫)