「スウェーデン館の謎」を読んだ

本読んでいる場合ではないのに息抜きと称して相変わらず読んでいる。今年に入ってからあまり読んで満足した小説がなかったが、これはよかった。
導入がスムーズですぐにその世界に入れる。舞台設定が現実の世界と同じ冬だったので、それがちょうどよかったのかもしれない。
この作品はなんといっても解決編のトリック。こうではないか?といろいろ考えながら読んでいたが、見事に外れた。犯人の見当はついたが、トリックは考えつかなかった。頭が固かった・・・かなり柔軟な発想がないとミスリードされる。
火村とアリスの掛け合いがまた絶妙。今作は長編なので、できるならこの二人が活躍する他の短編を読んでからこれを読んだほうがいいと思う。
有栖川有栖の文庫化された国名シリーズはこれで全部読んだが、う〜んと唸る作品とあまり納得しない作品の割合は7:3くらい。面白い作品はすごい面白いだけにあれ?と思う作品に当たるとかなり消化不良になる。
早く次文庫化されてほしい。