『葉桜の季節に君を想うということ』を読んだ

我孫子武丸折原一作品同様見事な小説「的」作品。叙述トリックの妙。
小説でしか表現できない部分を「霊感商法調査」と「過去のヤクザ惨殺事件」に絡めていて非常にうまい。読んでいてこの2つがどういう関係を持ち、どういう意味をなすんだろうと思っていたら、412ページの一言で一気にまとまり納得できた。2つの出来事もこの小説でしか表現できない部分のために用意されているような気がした。
叙述トリックの素晴らしさに感心したが、それをわかった後にもう1つの大きなテーマが見えてくる。補遺まであり、ああ、こういうことか、と年輪の素晴らしさも感じた。
人生はいくつになっても素晴らしい。やりたいことがあってたまらない。

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)