『社長島耕作』を読んだ

島耕作も遂に社長。社長だけあって現場実務というよりは経営方針判断などの話が多く、スケールは大きくなったけど天の上すぎる話になった。
現実世界と同じ出来事が作品の中でも起きているので、株価・業績に大きく影響するリーマンショック東日本大震災、中国に生産工場を置く会社としては危機的な領土問題に尖閣問題ととにかく問題が山積み。


さらに社内では役員のインサイダーに副社長のクーデター未遂ととにかく騒がしい。
インサイダーした八木はロシアの闇を感じる殺され方をするし、副社長はクーデター失敗すると自殺するし、この会社死人が出すぎだぞ。
さらには繋がりの深い中国の会社では社長の息子が誘拐されてと、実際の会社ではまず起こりえないトラブルの連続。それでも島耕作は前向きに一つ一つ解決しようと進んでいくからすごい。


私生活は社長になっても島耕作健在で、65歳になっても抱く、抱く、抱く。長年関係のあった大町久美子とは遂に結婚した。ようやく落ち着いたかなと思ったらインドネシアで元同僚と一線を越えそうになり、やっぱり落ち着きがない。


そんな社長島耕作の中に、14巻に3話ほど「少年島耕作」というのが収録されている。高校時代の島耕作が描かれていて、これが「学生島耕作」に繋がるのだなあと思った。


社長編は業界再編の提案をするところととチャイナフリー後の国の道筋を立てるところで終わるけれど、「あの島耕作でもメーカーの立て直しは無理だった」というのが衝撃的だった。
漫画の世界なので劇的な回復という展開もできたと思うけれど、あくまでも現実世界と同じ政治・経済条件で進めたのでこういう結果になったのかなと思う。うーん、課長時代の現場でやればなんとかなるというのはもう無理なのか……


次は会長島耕作だけど、完結したらまとめて読もうと思う。


社長 島耕作(1) (モーニング KC)

社長 島耕作(1) (モーニング KC)