時よ情熱の火を消さないで(雨上がりにもう一度キスをして風)

朝起きると親から「レコーダーがおかしい」と言われた。
何がおかしいんだろうと思って操作してみたら、録画番組の録画時間が通常より短い時間を示しているし、再生すると映像だけ流れて音声が出ない。そして早送りも停止もできずもう操作不能
うん、確かにおかしい。


レコーダーが機能不全になっていわゆる詰まった状態なのかなと思い、リセットボタンを押してしばらく待つとレコーダー盤面に「SYSTEM ERROR」の表示が。WELCOMEやPLEASE WAITは起動時に見るが、SYSTEM ERRORは見たことがないぞ。
そもそもリセットボタンを押したら普通は回復するはずで、もし故障でダメだとしても数字が出てきてその自己診断コードから症状を推定できるはずだったんだけどまさか「SYSTEM ERROR」とは……


その後もできることはやったけど復旧はせず、「壊れた」という結論に達した。
修理も考えたけど、時間かかるし、最近だと修理代がほぼ新品と同じくらいになることもあり、新しいレコーダー買うことにした。親は録画番組が娯楽でないとつまらないと言うし、ネットのない実家にとってはレコーダーは貴重なエンタメ製品だ。
何よりデジタル製品には弱く後日買って設置というのが大変なはずで、子どもがいる間にセッティング完了しておかないといけない。レコーダーも「俺もうそろそろダメだから、お前いるうちに新しいやつに変えてやってくれ」と思って今日を選んだのだろうか。
ちょうど親父の誕生日が近いということもあり、今回の購入は親父への誕生日プレゼントということにした。


そうと決まれば早速行動!すぐにヤマダ電機に行き、あたりを付けていたモデルを見つけて店員さんに相談。他店比較とかゴネたりしない、この店で即決しますとはっきりと購入の意思を示したら話が早く進み、値段も勉強してもらった。こちとら今すぐ買いたいのだ。
前のモデルは2チューナー500GBだったが、時々3番組同時録画したいという親の声を取り入れて今回は3チューナー1TBのモデルにした。これなら録画に関してはまず困ることはないだろう。


帰宅してすぐに設置作業と初回設定をして無事いつもどおりレコーダーが使える状況になった。操作性は若干変わっているので簡単な説明をして、「予約する、見る、削除する」はできるようになったのでもう大丈夫。
買うと決めてからここまで2時間足らず。やると決めたときは早い。


今日は一日中強い雨だったので、レコーダー購入以外では外出せず家でゆっくりと本を読み昼寝をしてとまさに晴耕雨読(晴走雨読?)な一日を過ごすことができた。嗚呼幸せ。


夜はまた会話と地酒を楽しんだ。
好奇心も思春期も止まらないので自分が年を重ねることに関しては別にどうとでも思っていないが、親は年を重ねると確実に体が弱っていく。
まだそんなことを考えなくてもいいのかもしれないが、帰省するとどうしても考えてしまう。ふるさとに、秋田にいる時間が楽しいからこそ。
普段の日々だと早く日中の仕事の時間が終わってほしいと思うけれど、帰省すると全く逆のことを考えてしまう。
時間が止まってほしい。
親はもう年を取らず、自分と共に生きていける、そんなことを思う。もう時間が止まってほしい。子どもの頃の自分と若い頃の親に戻れないなら、せめて今から時間が止まってほしい。
会話が弾み酒が進むほど、そう思う。


高校の頃はあれほど一人暮らしに憧れ、別の世界にどこか怯えながらもドキドキして住んでいたのに、今はただただ実家にいる時間がほしい。そして時間が止まってほしい。
時間が止まってほしい。