サザンの桑田さんの実姉の岩本えり子さんの自伝。
生まれ育った茅ヶ崎、親に敷かれたレールから外れたくて家を出て行った先の大分、さらなる自然な生き方を求めて行ったアメリカ・カーメル、そして再び戻ってきた茅ヶ崎。
音楽が好きで、ビートルズが、ジョンが好きになって、好きなものを知りたいという思いから英語を覚えて、と好奇心が原点のすごいバイタリティを感じた。そして成長してもその生き方は変わらず、大分への長距離移動、なんとかなるさのアメリカ移住とすごい行動力。
バイタリティと行動力に深く感心したが、何よりも自然への強い思いに心打たれた。小さい頃から自然に海や自然に触れていたからこそ海岸近くの高層マンション反対運動に全力を尽くせたんだと思う。絶対不利な状況から地域の人、行政に声を上げて茅ヶ崎の海を守った。
茅ヶ崎のサザンビーチに立てば、正面には烏帽子岩、左を見れば江ノ島、そして右を見れば富士山が見える。本当に美しい景色だ。ここに富士山を覆う無機質な高層マンションが建っていたら……と思うとゾッとする。岩本えり子さんに本当に感謝したい。
現代では言葉とは矛盾して、自然というのは守らないと残っていかないものなのかもしれない。そして根底に自然が好きという思いがなければいけない。自然を心から愛し、自然を見つめ、そして自然を守っていきたいと改めて思う一冊だった。
- 作者: 岩本えり子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/12/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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