『Gスピリッツ Vol.28』を読んだ

必読。毎回Gスピリッツはプロレスの深奥に入り光も闇も見せてくれて非常に面白いが、今回のGスピリッツはプロレスファンなら必読。
特集のダイナマイト・キッドが読ませる。そして衝撃的。みちプロの「竹脇」の時の細い姿も衝撃的だったが、今回の車椅子姿はさらに衝撃的だった。小柄な体で大柄な選手に立ち向かった数々の激闘。それらの戦いの中で負った怪我と、大柄な選手に負けない体を作るために手を出した薬物の影響はあまりにも大きかった。本当に毎試合毎試合が必死で、妥協しない本気のぶつかり合いをしていたんだなと思った。ただ、その結果が悲しすぎる。
それでもカミソリファイターの威光は消えていないように感じた。現在のダイナマイト・キッドの写真を見ると、雑誌の写真なのにまるでそこから手が伸びて掴まれるような雰囲気を感じる。昔のことは思い出したくないのかもしれないが、体にはプロレスラーの矜持が染み付いているように見えた。
光と闇。プロレスの虜になったファンなら誰もが強烈な魅力を感じる両者。光の部分にもフォーカスしているからこそこの闇の部分に異様な魅力を感じてしまう。
生涯最後のメッセージ、普通ならインタビューになっていないと思えるようなものだが(文中筆者もそう書いている)、それが強烈にプロレス魂に響いてくる。
Gスピリッツ、今後もぜひぜひ続いて欲しい。