時間は取り戻せない。私は後悔したくない。(三沢光晴)

三沢光晴お別れ会 〜DEPARTURE〜』に行ってきた。


早朝からディファ有明に向かった。昨日までは行こうと強く思っていたが、いざ当日になるとなぜか行きたくないという気持ちが出てきた。行くのが辛くなった。行っても気持ちの整理はつかないかもしれないという思いがそうさせたのかもしれない。でも、行かないと前にも進めないと思った。複雑な気持ちでディファまで歩いた。
かなり早い時間帯だったせいかほとんど並んでいる人はおらず前のほうに並べた。
10時過ぎくらいから徐々に人が増え始め、さらに前に詰めるよう指示されたり1列2人を4人に増やすようアナウンスがあったりした。
予報では曇り時々雨で心配していた天気だったが、一度も雨が降ることはなく、むしろ時折日が差して暑いくらいだった。並んでいる間に続々とプロレスラー、関係者が。
多少押したが2時過ぎに一般の献花が始まった。記帳を済ませて入口近くに並ぶ。ここにきて、言葉には表せない、なんともいえない気持ちになった。
ディファに入ると三沢さんのデビューからタッグリーグ優勝までの写真があった。小学校の頃に全日本を見始めた、自分にとっての「三沢」は「四天王の三沢」だったので、デビュー戦やタイガーマスク時代など過去の映像としてしか見たことのない「三沢」もたくさんいた。供花はプロレス界、企業、芸能界と本当にたくさんのところから来ていた。
花を緑のリングに置き、GHCのベルトを巻いた三沢さんを見た後目を瞑り手を合わせると、いろいろな感情が湧き出てきて全身が震えた。もう泣かないと思っていたのに涙が出てきた。
本当に好きだった。私にとって小さい頃からスーパースター、スーパーヒーローだった。信念、男気、諦めないことを教えてくれた。三沢さんの試合で何度励まされ、何度勇気づけられ、何度感動したことか。あんなに好きになれるプロレスラーにはもう出会えないかもしれない、それくらい好きだった。1ヶ月近く経ってもやっぱりまだうまくまとめられない。ただ、本当にスーパースターだった。
手を合わせている間、ありがとうという思いしか出てこなかった。お別れ会の名の通りさようならを言わないといけないのに、さようならが出てこなかった。「ありがとう」しか出てこなかった。それしか思えなかった。励まし、勇気、感動と全てがありがとうにつながった。いくら感謝しても感謝しきれないほど感謝している。ありがとう。
秋山、小橋らのノアの選手に礼をして会場を出てディファから出ると、信じられないほどの人が並んでいた。ほとんど人が並んでいない時に並び、献花が始まる前の移動ではディファの外がほとんど見えなかったせいか、こんなに並んでいるのかと驚いた。有明テニスの森駅をとうに超えて見えないほどまで人がいた。km単位で並んでいたんじゃないだろうか。これだけ多くの人が三沢さんのために献花に来ている、このことに三沢さんの偉大さを感じた。誰もが三沢さんから力をもらったことがあるはず。
ディファを出る時にTシャツと緑の袋に入ったカードをもらった。



カードには「時間は取り戻せない。私は後悔したくない。」と著書『理想主義者』中の文と写真が載っている。時間は取り戻せない。私は後悔したくない。―三沢さんの信念が伝わってくる。三沢さんがいなくなった後も励まされる、勇気づけられる、感動する。何度も言う、本当にスーパースター、スーパーヒーローだった。今度実家に帰ったら理想主義者を読み返そうと思う。
時間は取り戻せない。私は後悔したくない。
ありがとう三沢さん。ありがとう。本当にありがとう。一生忘れません。ありがとう。