『アラビアの夜の種族 Ⅰ』を読んだ

このようなジャンルの話はあまり読んだことがなく、年代や世界が現代とは違うので最初はやや読みにくくなかなか進まなかった。
しかし、脆弱で醜怪な姿のアーダムがゾハルに潜入し、妖術と権力を手に入れ狂気を増幅させていく中盤以降の展開は強くひきつけ、ドキドキしながら読んでいった。その頃には読みにくさもなくなり、圧倒的な世界観の虜になっていた。
思わず災厄の書にとりつかれそうになる。第一部でこのエネルギーなのだからⅡ、Ⅲはどうなるのだろうと思った。
これを読んでいるとアイユーブたちのように夜が朝(あした)に代わり、朝が夜に代わってしまいそう。

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)