『生きるヒント〈5〉新しい自分を創るための12章』を読んだ

生きるヒントシリーズもこれが最後。1から5まで全て強制した書き方ではなく、こういう考え方もあるんだよという口調(本当に口語体で書かれている)で、まさに「ヒント」。
そして、人間だからもちろん考え方も変わる。五木さんもしかり、1で言っていたことが5ではちょっと変わっていたりする。でも、それが人間らしいと思った。
最終章で五木さんが気にしていた自殺者2万3千人という数字は、10年後の現在3万人を超した。日本人の死因トップテンを年々上っている。しばらく止まりそうにない。
メメント・モリ、死を想え、この言葉をもっと強く意識するべきだと思う。死ぬということを身近に深く考えることがごちゃごちゃした現代の人にとって必要だと思う。死を想うことで命とは何なのか、生に対する自分なりの解釈ができると思う。
女性関係で暴力沙汰になり、復讐で集団暴行し生きたまま人を埋めるという事件があった。唖然とした。客観的に見てそんなことで人を殺していいわけがない。
インタビューで容疑者の母親にインタビューしていたが、その内容がまた別の意味でひどかった。息子から「人を殺した」という話を聞き、母親がまず最初に言った言葉が「何人殺した?」だった。この言葉が出てくるのが全く理解できない。人を一人殺めるだけで重大なことなのに複数殺したかどうかの確認をする母親。この息子も母親も理解できない。そして息子は母親に「死刑にはならないだろうから、またいつか会えるから元気で」と言ったらしい。人を殺して「死刑にはならないだろう」と言えるなんて。もうこのニュースを見ていて救いようのない嫌な気持ちになった。
話がだいぶそれた。日常のちょっとしたことを思い、考え、ヒントにするこのシリーズ、読んでよかったと思う。