昨夜1時から自宅レイトショーで見た。
全く聞いたことのない作品だった。ただ、新作コーナーに1本しか入荷されていなくて、新作なのにレンタルされていないので、どんだけ関心ないんだと思って借りた。ハリウッドかと思って見たらロシア映画だった。
12年ぶりに突然帰ってきた父親。まさに「突然」。そしてその後の展開も突然。
父親はとにかく強引。兄弟が抱く疑問を見る者も同じように抱いて映画を見る感じ。「なぜ?」の連続。
そして終盤のショッキングなシーン。完全に予想外で思わず「あっ!」って言ってしまった。それからかなり兄弟の気持ちが変わっていったような気がする。
そしてストーリー全体に散りばめられている謎。その謎がほとんど残る。思わせぶりに示しておいて最後までその意味を説明しないことが非常に多い。でもそれらはフラストレーションの溜まる感じではない。見終わった後にあれはどういう意味かと考えてしまう。でも本当に謎残しが多い。
ショッキングシーンの前後で兄弟が大きく成長しているように感じた。特に兄。パッケージは弟のワーニャだったから、弟が主人公だと思って見ていたが、実は兄が主人公ではないかと思うくらいだった。
ストーリーはかなり重厚で、音楽はほとんどない。静かでちょっと重い空気が流れていく。その中でも海の綺麗さが印象深かった。実際はストーリーに関係ないのだが、とても澄んでいてそこだけがいい意味で軽く映った。
この映画は白黒のほうがいいのではないかと思った。白黒映画で上映したほうがもっと深くなったと思う。海の綺麗さは失われてしまうかもしれないけど。白黒版の『父、帰る』を勝手に想像してしまった。
ヒューマンなのかサスペンスなのかはわからなかったが、期待以上に面白かった。もっと入荷数が多くてもいい作品だと思った。
だけどワーニャは飛ばなかった。
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