地下マッチ

高校2年の頃S口氏と試合をした。そこに至る詳しい経緯はもう忘れてしまったが、とりあえずM組とN組との対抗戦だったような気がする。
試合は地下闘技場(レスリング場)。観客はM組とN組のごく少数の男子だった。
ルールは打撃なしのグラップリング(組み技)。レフリーもいたので勝敗はギブアップ、レフリーストップ、タオル投入で決することになっていた。
試合が始まり片足タックルで倒そうとしたが全く倒れない。たしか体重差は30キロ以上あったと思う。そして体重差からくる圧力がやばかった。あれは岩だ。タックルでは倒れずS口氏の足にしがみつくような姿勢になった。四点ポジションからの攻撃が許されていたら脳天に何度も膝蹴りされて失神KOだっただろう。
全く倒れそうになかったのでそこから仰向けになり猪木―アリ状態になる。もちろん私が猪木の姿勢。そこからS口氏の攻撃を見て受ける状態になった。浮いた足を払われて乗られそうになったり、飛んでボディプレスのようなことをされたりと、もう何度も何度も死にかけた。汗はだらだらでぜいぜいいっている。
結局猪木―アリ状態で長時間続き体育の授業終了のチャイムで試合も終了。結果はドローだった。客観的に見れば同じ状態のままの泥仕合で、少数の見ている人に申し訳ないような試合内容だったが、やっているほうとしてはギリギリの緊張感がたまらなくよかった。高校時代のベストバウトだ。
その後再戦はしていない。今やればどうなるだろう。だいぶ時は経ったが完全決着をつけたい。