流血マッチ

さあ寝るかと布団に入り、部屋の電気を消してタブレットでニュースを見ていたら眠気が。
仰向けでタブレットを持ち上げている格好だったので、睡魔に襲われ力が抜けるとタブレットは顔に落ちてくる。
ボクッという音と衝撃で瞬間目が覚める。痛いなあとあ、寝ちゃったという気持ちが眠気に混ざる。
タブレットを枕元に置いて今度はちゃんと寝ようとする。ぶつかった時に反射的に涙出ちゃったなと思って目の辺りを触ると
ヌルッ
とした感触がある。
あれ?と思って部屋の電気を点けて触った指を見ると涙ではなく血だった。
血が出ちゃったなあと眠気で半分他人事のように思いながら傷の具合を確認しようと洗面所に行くと、そこには永田vs村上の時の永田がいた。顔面血まみれ。
あー額周辺って血が出やすいんだよなあと部活時代の数々の流血沙汰を思い出しながら、ティッシュで止血しつつ頬などに付いた血を洗い流す。
このあたりの血はしばらく出るのを知っていて、かつ寒いし眠かったので、そこそこ血が止まってきたところでティッシュを傷口である眉の上にちょっと多目にあてて就寝。布団や畳に血が付いていなくてラッキーと思いながら熟睡。


翌日、というか今朝体を揺さぶられて起こされる。何事か、と思っていたら何事かと思ったのは相手、親の方だったみたいだ。
朝起きて、昨日飲みに行った息子は帰ってきているだろうかと思い部屋を覗くと、そこには真っ赤な血で染まったティッシュを顔の上に乗せた息子の姿が。
うーん、改めて字にして思い返すとそりゃ驚くわな。普通そんな姿は想像しないし。
帰り道転んだのか、それとも喧嘩でもしたのかと思って気が動転したらしい。寝ぼけた状態で事情を話すと「ばかっけ」と今度は怒られる。たまの機会だからもう少し心配させればよかった。


教訓:血が止まる前に面倒だからといってティッシュを乗せて寝るのはやめよう