「概念」と書いて「おばけ」と読む、そんな妖怪とは何かという切り口に物語が混ざった見事な珍道中になっている。相変わらず豆腐小僧は可愛らしい。
前作の「ふりだし」を読んでからのほうがより楽しめる。「ふりだし」より講釈の比重が大きく、また深くなっているので『妖怪の理 妖怪の檻』のテイストも強く感じる。ただ、講釈が重くなったぶん「ふりだし」よりも動きやワクワク感が足りなくなっているのは残念。
妖怪についての物語なのに「妖怪は”いない”」と書く。でもなぜそうなのかは読めばわかるし納得しちゃう。”いる”と思うからいる、現れる。出るのではなく感得されるもの。嗚呼妖怪って不思議。
- 作者: 京極 夏彦
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: 単行本
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