『怪 vol.23』を読んだ

巻頭は荒俣"ザ・博覧強記"宏氏と京極"ザ・好奇心の海"夏彦氏の特集。本当に二人の知識と興味の広さには驚かされる。その京極氏は今回から「西巷説百物語」を連載している。百物語シリーズは無・続・後・前ときて次はあるのか?と思ったら西ときたか。
怪遺産認定された境港市の紹介記事を読んでますます境港市への興味が増す。旅行好きではないけれど行くなら境港市だな、と思った。
妖怪の理妖怪の檻では引き続き「妖怪の形に就いて」書かれている。妖怪とは、という問いに図や例を出し論理的に語られており、毎回感服してしまう。新連載では妖怪学入門がとても勉強になった。第一回は河童が取り上げられているが、河童の性質や河童の地域ごとの言い伝えなど広い視点で書いてあり飽きずに読めた。道真公が河童の命を助け、お礼に河童の一族は道真の子孫には害をなさないと約束したという話から、道真の先祖であり日本最初の相撲の勝者である野見宿禰という関係から北九州が河童の相撲好きの由来ではないかというところに話が繋がる部分はもう最高に面白くためになった。
妖怪はやっぱり面白い。オーラやズバリや新興宗教を無条件で信じてしまう人は多いのに妖怪を信じる人は少ない、これが不思議でしょうがない。なんで妖怪じゃなくそっちのほうをのめりこむほど信じてしまうのだろうと思う。この世には不思議なことなど何もないのと言う京極堂が現代にいたら教えてくれるのだろうか。教えてくれるとしたらかなーり長くなりそう。

怪 vol.0023 (カドカワムック 257)

怪 vol.0023 (カドカワムック 257)