『文藝春秋 2007年 03月号』を読んだ

格差社会」「WCE」という言葉が独り歩きしている中、「会社は社員を守ってくれるか」を読むことで少し冷静に考えることができた。
「我らが青春の芥川賞を語ろう」では大器晩成ではなく早成、出る杭は打たれるといったことが語られていた。石原、村上氏とはあまりにも離れているので綿矢氏の発言がほとんどない。単なる話題作りではない賞だという主張はしっかりとされていた。
「「いきいき95歳」日野原先生密着記」では日野原先生の元気さに感服。元気すぎる。精力的すぎる。95歳でも全く老いていない。
今回の芥川賞受賞作の「ひとり日和」が前文掲載されている。非常に読みやすく、また情景が頭の中にクリアに浮かんでくる文章だった。全体的に破綻がなくうまくまとまっていると思った。ただ、個人的には淡々としすぎていてちょっと退屈だなあと思った。浮き沈みがないのがこの作品の魅力だと思うけれど、次作もこういう感じだと退屈が辛さになるような気がする。うまくまとまっているのであえて一言。

文藝春秋 2007年 03月号 [雑誌]

文藝春秋 2007年 03月号 [雑誌]