『探偵映画』を読んだ

映画の結末を撮影する直前に監督が失踪。結末は監督しか知らない。残されたスタッフは結末を予想しなんとか映画を完成させようとする。
結末の展開をめぐりあ〜でもない、こ〜でもないという展開が続き、それがどれも本当のように思えるからますます混乱する。撮影をどうするか混乱する現場、結末を誰も知らないことをいいことに自分が犯人になれば目立つと思って自分が犯人だと主張する役者たち。ドタバタぶりが面白く、また映画作りをめぐるミステリーなので実際の世界では一切殺人事件が起こらない。
結末がわからないまま本も残りページが少なくなってくる。そしてようやく最後に知らされる真相。
確かに期待を裏切られた驚きの結末だったけど、もう一捻り欲しかった。引っ張りがかなり強かったのでもうちょっとその上の驚きが欲しかった。十分面白いけど、『殺戮にいたる病』を知っているだけにもっとすごいのが来てほしかった。

探偵映画 (講談社ノベルス)

探偵映画 (講談社ノベルス)