『世にも醜いクラスメートの話』を読んだ

渡辺浩弐の新作。本人も自分がかなりホラー寄りになっていると語っているとおり、SFよりもホラーにやや偏った話の数々だった。個人的には初期のゲーム・キッズのようなSF寄りがいいんだけどね。


この作品にも描かれているように、ホラーの意味合いがだいぶ変わってきた気がする。以前は目に見えない幽霊や超常現象といったものを恐怖として捉えられていたけど、科学の発達などによりそういったものは説明がつくようになり、恐怖の対象から外れていった。そんな現代では最先端の技術が恐怖の対象にもなりえるようになっている。すぐに繋がれるSNS、その空間にいるように感じられるVR、自動で動く電子機器、人間以上の精度で解を出すAI……それらは現代の超常現象、不思議な出来事と言えるのかもしれないし、それらを渡辺浩弐はホラーに仕立てるのが抜群にうまい。


今見ているそのスマホも恐怖を生み出す装置になるのかもしれない。