『iKILL』を読んだ

タイトルの「ィキル」が「I kill(殺す)」にも読めるし「IKILL(生きる)」にも読める。読み方で全く逆の意味になる。
殺し屋にまつわる4つの話。ネットアイドル、いじめられる女子中学生、搾取する大人、匿名が裁くシステム、どれも現実にありそうな、というよりたぶんあるだろうと思われる話。フィクションと思いつつもこの世のどこかであるように思えるからぞっとする。
ただ、グロテスクな描写が多すぎた。ちょっと気持ち悪くなる。
『ゲーム・キッズ』シリーズで渡辺浩弐が好きになった者としては今作は受け付けなかった。『ゲーム・キッズ』のようなブラックなオチのあるショート・ショートがまた読みたい。あの独創性と短ページでしっかりとした驚きとオチをつけられるのはこの人しかいないと思う。惜しむらくは『ゲーム・キッズ』シリーズがあまり知られていないことか。
ちなみに本に入っている殺し屋の名刺についているQRコードを携帯で読み取ると・・・これまた怖い。

iKILL (講談社BOX)

iKILL (講談社BOX)