渡辺浩弐作品では近未来ショートショートのジャンルが好きなのだけれど、これはそれとは全く違う家族もの。でもただの家族ものではないのが渡辺浩弐らしさ。
最初はジャンル違いでなんかいまいちかなと思ったけど、話が進んでいくたびに面白さがじわりと伝わってくる。最初の話は2008年で、最後は書き下ろしと時間が経っているのも関係するのだろうか。
父と娘、親子なんだから分かり合えると思ったら大間違い。父親のほうが偉い、詳しいなんてことも大間違い。親はいつだって強いなんてこともない。当たり前といえば当たり前なんだけど、それを歪な形でわからせてくれる。
そして親子だからより分かり合えることもあると教えてくれる。親子でも、友だちでも、親友でもいいじゃない。
- 作者: 渡辺浩弐
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/06/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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