三ツ矢サイダーは夏の置いてけぼり

5時から5時半の間でランニングをすると、走り始めは真っ暗で、終わる頃にようやく空が明るくなる。秋分の日も過ぎたし、これからいよいよ日の出が遅くなるのを感じるんだろうな。


走っている間の空気も違う顔を見せてきていて、草木の匂いが完全に秋のそれに変わっている。秋の時期に感じて、そして感じるとさらに吸い込みたくなるあの切ない匂い。
夕方の帰宅時間なんてさらにその匂いの濃さと切なさが増していて、草木多いところや田畑近くを通ると感情がぶるぶるしてくる。目を細めて無性に意味のない言葉を大声で叫びたくなる。秋だねぇ。


気付いたら夏が去っていた。あの暑さの中では永遠に猛暑が続くと錯覚していたけど、夏は去るのね。そしてあっという間に去っていった。まだまだ暑い日が続くと思って買いだめしておいた三ツ矢サイダーが、夏に取り残されたかのように部屋の隅に残っている。