……は寝て言え

最近またよく寝言を言うようになったらしい。そもそも一人暮らしでは寝言を言っているか確認できず、自分が寝言を言っているなんて思ってもいなかったので、寝言を言っていること自体が驚きである。


私の寝言は分類すると
1.寝言は言っているがむにゃむにゃで何言っているかわからない
2.「うん」とか何か夢の中で相槌を打っている
3.はっきりと会話のように話す
の3つに分かれるようである。
1.と2.は「ああ寝言だね」くらいで慣れれば全然気にならないらしいが、3.は本当に驚くらしい。
暗闇の中突然話しかけるでもなく一人喋りが始まると驚き、恐怖を感じるようで、1.や2.のように聞き流せないらしい。


とはいえこちらには寝言を言った記憶なんてなく、ましてや驚かせようというつもりもない。本当に言っているのかと問い詰めるも「いびきと違って寝言はいつ出るかわからないし長時間喋っているわけじゃないからから動画でも残せない」と言われる。そこまで真剣に返されると、きっと嘘を言っているわけではないのだろう。


本当に私が寝言を言っているのだとすると、では一体私は何を夢で見ているのだろう。夢の世界でその場にいるだけではなく話しているのだろうか。寝ている時すら喋らないと気が済まないのだろうか。寝ている時も喋っているなんて、さぞかし疲れるだろう。あ、自分の体か。


妻にはとりあえず寝言を言ってもそっとしておいてくれと言っている。寝言に対して相槌を打ったり、話しかけたりすると、寝ている間の脳の休息と整理ができずダメージを受けるという話を聞いたことがあるので、放っておくようにお願いしている。幸いなことに大声で寝言を言っているわけではないので迷惑とまではなっていないらしい。
しかし何かのはずみで殺意を抱かれたら、毎日寝言に対して会話をすれば私の脳はダメージを受けてあっという間にやられる気がする。完全犯罪を容易にされる状態になっている。これはまずい。
日頃のふざけた言動に「寝言は寝て言え」と思っているかもしれないが、寝言を言うと今度は脳がやられる。嗚呼恐ろしい。優しくしよう。


「寝言を言っているよ」は妻からの警告なのかもしれない。