『赤ヘル1975』を読んだ

名作。重松清にまた惚れた。
1975年の広島東洋カープの開幕から優勝までの時間軸の中に転校生のマナブ、野球少年ヤス、赤ヘルニュース書きのユキオが描かれる。脇を固める勝征さん、真理子、おじいちゃん、おばあちゃんも欠かせない。そしてもう一つ、原爆。
カープ優勝までのドキュメンタリーだけでも、3人の少年の物語だけでも、原爆の話だけでも足りなかったと思う。この3つが絶妙な構成で絡んで書かれていることでここまで素晴らしい作品になったと思う。
「よそモン」が広島を知り、カープを知り、原爆を知り、「連れ」になった頃に別れを知る。それでも悲しい感情よりも胸熱くなる感情に包まれて読み終わった。
500ページを超える作品だが、全く飽きが来なかった。広島に興味が出てきた。熱心に見ない野球は今年はカープを応援したくなってきた。
また一つ重松清作品にやられた。名作が生まれた。読んで本当によかった。

赤ヘル1975

赤ヘル1975