『黒猫館の殺人』を読んだ

館で起こる奇怪な事件。第一の事件は殺人か事故か、殺人なら殺めたのは誰？第二の事件は自殺か他殺か？これらの事件を綴った手記を持つ鮎田冬馬の正体は？
鮎田冬馬の正体は手記の事件後の手際良い動作などから早い段階で予想できる。第一の殺人はともかく第二の殺人も手記を読んでいると予想ができて密室ではないとわかる。読んでいて違和感を覚える部分がかなりあるので今回は気付きやすいヒントが多いなあと思っていた。
が、しかし、それは作者からしたら餌のバラマキ。黒猫館の本当の正体がわかった時大いに驚いた。やられた、と思った。黒猫館の真実がわかり読了した後思わずまた読み返した。確かに「真実」の通りの記述になっている。やられた。
事件の真相も手記の作者が何者かも大体わかる。しかしさらに大きな黒猫館にやられる。

黒猫館の殺人 (講談社文庫)