『大相撲殺人事件』を読んだ

この前のタモリ倶楽部のウラスジ(ウラスジ=裏表紙のあらすじ)大読書会で紹介された本。放送のウラスジ朗読の時点で「これ面白そう!」と思って翌日に買いに行った。


ウラスジに書かれている「立ち会いの瞬間爆死する力士」「頭のない前頭」「密室状態の土俵で殺された行司」は全て小説の中で本当に起こっている出来事で、かつ超常現象的なものではなく現実的に説明できるものとして描かれている。
各話のタイトルと内容は以下のとおり。
  土俵爆殺事件:立ち会いの瞬間力士が爆死する
  頭のない前頭:鍵のかかった風呂場で頭部のない力士が発見される
  対戦力士連続殺害事件:対戦相手の力士がなぜか次々と殺害される
  女人禁制の密室:女性は上がれない土俵に行司の死体、ところが現場には女性しかいない、つまり密室
  最強力士アゾート:一番強い部位を持つ力士の部位が切り取られる連続猟奇事件
  黒相撲館の殺人:黒相撲、黒力士という闇の歴史が語られる


はっきり言って無茶苦茶。1年で幕内力士の40%近くが死亡する。そんなぶっ飛びまくった世界なんだkど、面白い。
ただ単に荒唐無稽なネタを出しまくっているのではなく、しっかりとトリックも動機もある。何より登場人物が全員真剣。
最後の奥泉光さんの解説まで読むと、これがウケ狙い作品ではなく、本格ミステリーのこれまでをしっかりと消化し踏襲したものになっていることがわかる。


題名とウラスジだけじゃなく、中身もしっかり面白いよ。