偽善と苦

大学生協から援助制度寄付のお礼状が送られてきた。宛名と日付以外は全てワープロ打ちだったけれど気持ちはこもっている気がした。
入学した時に組合費として納めた2万円を卒業する時に返還してもらうのだが、そこで勉学援助制度の寄付をするかどうか聞かれる。新生活が始まるから正直2万円まるまる使えたら4月から楽になるよなと思ったけれど、厳しい経済条件の中で学んでいる学生がいると思うと寄付せずスルーすることはできず、偽善をした。
学んでいたかどうかといえば疑問符がつくけれど、生活は大変だった身としては寄付したくなってしまう。もやしご飯や納豆ご飯を毎日毎日食べていた日々を思い出す。貧乏生活の定番で毎日カップラーメンという絵があるが、実際に体験したことのある人なら誰しもあの生活は贅沢だと思えるはず。外食に憧れて帰宅する気持ち、教科書を買わずになんとかしようとする学期始まりの思いなど、いろいろとあった。
気にしなければいいのに周りとの格差を感じることもあった。仕送り月20もらっても足りないという話や、面倒くさいから自炊はしないという話などを聞くたびにここは世界が違うのかと思った。社会ビトになった今、奨学金を借りていた人が周囲にいないことを知った。
そんな自分よりも苦労している学生はいっぱいいると思う。そして自分よりも向学心があるのなら援助したくなる。大変さは知っている。周りとの差を感じることもあるかもしれない。でもそこで折れずに愚直に生活していけばいいことはあるはず。負けるな苦学生