箱男の独白から始まる。贋箱男の出現、看護婦との関係が綴られるあたりから面妖な空気が流れ、中盤以降何がなんだかわからない混乱する展開になる。その展開がよく飲み込めず終盤になってやっと落ち着いて読めた。
箱をかぶって生活する男が奇怪に感じるが、その中で描かれている覗き穴から見える世界、箱男の「見る」が「見られる」と無意識に逆転する過程は非常にリアルに感じる。
- 作者: 安部公房
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/05
- メディア: 文庫
- 購入: 12人 クリック: 69回
- この商品を含むブログ (226件) を見る