甘く、生きる

過去のことはもうどうにもならないし、未来のことはわかるわけがない、だから今を大切にしようという言葉がある。
煩悩は人間である以上なくなるわけがないのだから煩悩を消そうとするのではなく、煩悩と付き合う、整理することが大事だという教えがある。
確かにそうだよなあと感心するけれど実際には非常に難しい。過去のことでうじうじしてしまうし、将来のことを考えると不安は際限なく出てくる。今を頑張ろうとしてもついつい無意味に過ごしてしまう。
あれもしたい、これもしたい、ああなりたい、こうなりたい、あれがいい、これがいい、どんどん出てくる。だけどなかなかうまく付き合うことはできないし、整理することもできずに何もできずにずるずると願望だけが溜まっていく。
なんて生きることは難しいのだろうと思う。自分のことなのに自分をコントロールできない。意志薄弱だし困難に弱いと思う。そう思っていても直せない自分がまた悲しい。
でも甘いからそんな自分さえもどこかで許せてしまう。ナルシストという意味ではなく結局自分がかわいいのだ。許してそう認めてしまうと人間ってこんなもんかな、こんなもんでしょ、と思えて軽くなれる。
もちろん自分を律して毎日力強く生きている人はたくさんいると思う。でも甘さに甘えてそれで生きていける人もたくさんいると思う。私は後者なのだ。強く生きることはできないけれど寄りかかってなら生きていくことはできる。何かに悩み、何かで励まされ、何かをやる。私らしいと思うしそれもまた人間らしいと思う。
週末の入り口でどん底まで落ち込み、週末の出口で甘さに甘えて明るくなれた。
明日は天気が良く暖かいみたいだから、そのことを思うだけでなんだか先が明るく見える。天気くらいだけど未来のこともちょっとだけならわかるんじゃないかな、と思う。