発売日に手に入れたのに、読むのがもったいなくてなかなか先に進めず、そしてようやく全て読み終わった。それくらいバーチャファイターは自分にとって思い入れのあるものだし、今でも大切なものになっている。
大塚ギチ氏のトウキョウヘッドがバーチャファイター1、2で、本作はその後の3~5FSあたりの時代を描いている。ただし作者は大塚ギチ氏ではない。なぜなら大塚ギチ氏は亡くなっているから。それでも活字から伝わってくる大塚ギチ雰囲気と熱量は本家に決して負けていないと思う。むしろトウキョウヘッド読んだ人は素直にノンフィックスも読み進められると思う。
ちび太、山岸さん、マスク・ド・ヒジテツ、栗田、ホームステイアキラ、こえど、ふ~どを取り上げている。自分が一番ハマッた、そして今もハマッているのがVF3tbだけど、その頃の中心的存在だったちび太、山岸さん、マスク・ド・ヒジテツ、栗田の生き方と当時のことが大塚ギチ的文体で刻まれているので、もう一文字、一行、一段落を大事に読んだ。それ故に読了まで時間がかかった。もう本当にバーチャファイターという作品、そしてそれを取り巻く人たちが好きで好きでしょうがない。
本作で取り上げられた人たちは、やっぱりこれだけ有名になるだけの異質な人たちなんだなと改めて思った。生活環境、考え方、そして行動の全てに異質なものがあり、だからこそバーチャファイターという世界でこれだけ輝き続けたんだなと思った。当時地元で結構やっていたけど、ここまでの到達点には辿り着けなかった。だから今でも、未だにそこを求めてプレイしたり関係資料を探し集めているのだと思う。それくらいバーチャファイター、VF3tbは自分にとって特別なものになっている。
そしてその特別な世界の中で生きてきた人たちをしっかりとした作品として形にしてくれた本作関係者には本当に感謝しかない。バーチャファイターに熱狂したことのある全てのプレーヤー、元プレーヤーに読んでもらいたい作品。
また時間をかけてじっくりと読み返したい。そしてこれからもプレイし続けたい。バーチャファイター最高。