『沈黙のパレード』を読んだ

久しぶりのガリレオシリーズ。湯川先生が帰ってきた。
限りなくクロに近い男への復讐のために動く人々。殺害トリックは何か?という単純な話のように見えて、進めば進むほどその単純さが消えていく。そもそも殺された男は本当に過去2件の殺人をおかしたのか?方法は?動機は?読めば読むほど謎が増えていく展開だった。
それを湯川先生が少しずつ解いていくのだけれど、その洞察力と推理力には今回も驚いた。よく僅かな状況からそこまで飛躍して考えが及ぶものだ。
終盤は犯人、真犯人、真相が大体読めてくるけど、それでもラスト60ページの怒涛の展開と複雑に絡みながらひっくり返ってひっくり返ってひっくり返る真相には思わず顔を本に近づけてしまった。本人たちの供述にかなり頼る形になるが、それでもこれまで警察が全くたどり着くことができなかった真実を見ることができた。
複数犯容疑者Xの献身というような形の本作、久しぶりにガリレオ先生に会えてよかった。

沈黙のパレード

沈黙のパレード