振り向きもせず夏は去くけど(涙の海で抱かれたい風)

夏休み最終日。いつまで休みだと特に妻に言っていなかったので、妻からは「え?マジ?こいつ今日も休みなの?もしかしてガチでリストラされたんじゃ?」という驚きと心配の表情をされた。多分その時は間もなく来るけど、一応今ではない。


いつもどおり早起きをして、今日はコンビニで金田一少年の事件簿10巻を買って散歩。朝ご飯を作って洗い物をして妻を送ったら洗濯と洗濯物干しの今週いつもの主夫業。一人暮らしと同じことしているから違和感ゼロ。ずっとこのままでもいいな。


一段落して買った金田一でも読むかと思ったけど、「夏休みも遂に今日で終わりか〜家もいいけど平日の外ってどんなものか味わいたいからちょっと出てみるかな〜」と思い外に出た。
シグナスで海までブイ〜ンと走って、台風が過ぎ去った後の少し風が強い海辺を散歩した。強めの潮風と日差しが鼻と目に夏の海を植え付けてくれる。


そのまましばらく歩いたら今度はウォークマンをセットしてBGMを潮風からサザンに変える。夏の海で自分が聴きたいと思った曲をどんどんかけて、どんどん日差しがきつくなっていく海辺の道を歩く。
夏休み最終日か〜こんなに暑いのに夏ももうすぐ終わるんだよな〜と切ない気持ちになりながら歩いていたけれど、君こそスターだI AM YOUR SINGER、DIRTY OLD MAN、海、Bye Bye My Love、真夏の果実希望の轍、涙の海で抱かれたい……と聴いていくとそんな気持ちも吹き飛ぶ。夏の思い出が一つ増えてよかった。


一通り聴いたら散歩も止めて、ボードウォークの高台に腰をかけてただひたすら海を眺めていた。潮風浴びて、波音聴いて、太陽に焼かれてぼーっと、ぼーっと海を眺める。嗚呼こんな時間が最高に幸せ。有名観光地や名物店、都会や歓楽スポットに行かなくていい、ただただ田舎で自然に包まれていたい。こういう時間の過ごし方をいつまでもしていたい、暮らしたい。自分は普通の社会の中の人には向いていないな。


それでも時間が止まることは絶対になく、いつまでもここにいることもできない。時折そんな現実が頭をよぎり悲しくなる。ふっとそういう思いが浮かぶ度にまたぼーっと海を眺める。


夏休み最終日は海を眺めて静かに過ごしました。夜になったらいつもお世話になっている居酒屋にお土産渡しに行こうっと。