見上げてごらん夜の色を(坂本九風)

最近夜になっても空が深い黒じゃなくなってきた。今になって「嗚呼あれは冬だったからあんな夜の空の色だったんだな」と気付く。
日が暮れるのが遅くなってきているのは嬉しいけれど、夜は必ず来る。その時に深いしっかりとした夜、闇になっていないのはちょっと寂しい。
闇という言葉がぴったりくる冬の夜空。どこを見てもひたすら真っ暗、逃げ場のない闇。空気が澄んでいただけではなく、それくらい漆黒の闇があったから冬は星が綺麗にはっきり見えていたんだなと気付く。大人になってようやくこんなことに気付くなんていかに無知か、いかに自然をきちんと見てこなかったかがわかる。


今までずっと早く暖かくなってほしい、冬よ去ってくれと思っていたのに、最近の夜の空を見て初めて冬に戻ってくれと思ってしまった。それくらい冬は綺麗な夜だった。


何もない田舎の特権を活かして春の夜空の色もじっくり見てみようと思う。きっと春には春の夜空の楽しみ方があるはず。