『桐島、部活やめるってよ』を読んだ

タイトルに桐島とあるのに、とにかく桐島が全然主体的に出てこない。周りの人物の生活の中、会話にちょっと出てくる。
でも、それが読んでいくにつれ効いてくる。桐島を考える人、桐島と比較する人、桐島とは別の価値観で日々を過ごす人。
登場人物がみんなちょっと大人びすぎている気もするけど、自分が高校の頃に悶々としていたことと同じ感情で毎日を過ごしている。こんな毎日が楽しいかもしれないけど、どこか違うんじゃないか、何でもなれるけど、何にもなれていないことじゃないか……そんな言葉にも行動にもできない悶々とした日常が描かれている。
これ、自分が中高生の時に読んだらすごい感情移入して、すごく共感して、キュンキュンしまくっていたと思う。
青春に悶々はつきもの。

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)