珍しい

おふくろの携帯を使って親父からメールが。珍しい。昔テレカ使って穴空いたからもう使えないと思って捨てておふくろに大笑いされた、キャッシュカードもクレジットカードも使い方がわからないからオレオレ詐欺が来ても大丈夫と豪語する、文明の利器にリキラリアットかましてど真ん中歩いているような親父がメール。これは間違いなく週末台風関東直撃するな。
中を見るとカーナビプレゼントのお礼だった。メールなんてほぼしたことないからもう文はちょっとした「?」状態。
句点入れずにいきなり次の文章とくっついていたり、漢字変換されていなくてひらがなのままのところがあったり、なぜか文節で半角スペースが入っていたり(→を押した?)、「とても良い」が「ても良い」で「じゃあ」が「じゃぁ」(ギャルかよ)となっていたりとかなり奇妙なメールだった。
ばかやろう、思わずじんときたじゃないかよ。こんな辿々しい下手なメール、間違いなく親父本人が書いた(打った)だろう。ゴーストライターとしておふくろに代筆(代打ち)してもらうことなく、おでこのしわをさらに深く浮き立たせて一生懸命一文字一文字携帯のキーを押して作ったんだろう。「こっただのやるくらいだったらしゃべったほうがはえな」と言いながらポチポチ慣れない携帯を触っている姿が簡単に浮かぶ。無機質なフォントの文字からいっぱい伝わってくる、間違いなく親父のメールだった。
ばかやろう、親父が礼なんか言うな。ただただいてくれればいい。なんだかにやりとしたりじんときたりで変な気持ちだからもう寝る。ばかやろう。