夕刊フジに連載されていたエッセイ。「中年男子必読」と謳ってあったが、その「オヤジ」以外でも十分楽しめる一冊だった。
仕事帰りに電車に揺られながら読んでもらえるようなものを毎回書いたとあとがきに書いてあったが、まさにその通りで、この文庫を持って仕事帰りに電車に揺られながら読んだ。体に力を入れて読むような感じではなく、オヤジになったシゲマツの昔を振り返ったり今話題のことを考えたりと気楽に読めるエッセイばかりで本当に楽しく読めた。まさかシゲマツがビリーをやっていたとは。
巻末にオヤジをテーマにした酒井順子氏のインタビューがあるが、「負け犬」の酒井氏と「オヤジ」のシゲマツがオヤジについていろいろな角度から話している。おじさんに相当する言葉にはおばさんがあるがオヤジに相当する言葉はない、オヤジになるとおじさんにあった「さん」もなくなっていよいよぞんざいに扱われているという話や、加齢臭という言い方はやめて加齢香にしよう、という話にはへーと感心した。
オヤジ以外が読んでも楽しめる一冊。できれば仕事帰りに。
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/16
- メディア: 文庫
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