旅フォト―二日目

8時過ぎにゆっくり起床。素泊まりなのにおじさんがパンと牛乳をご馳走してくれた。
さらに一泊二日で普通朝にチェックアウトなのに、「今日もいろいろ見ていくんでしょう、荷物置いていっていいよ。あと自転車も使っていいから」と言ってくれた。本当によくしてもらった。親切すぎて戸惑う。
二日目は初日と逆方向にいろいろ行ってみた。



五百羅漢に行く途中に多賀神社に寄る



のぼり途中振り向いて一枚。足跡は自分のものだけ。



多賀神社到着



多賀神社からチャリで10分弱で五百羅漢、卯子酉様周辺に到着



まずは五百羅漢へ



雪道のぼり



なぜか行き止まり



周りは木だらけで本格的に迷子。今回のみちのくひとり旅で唯一未知の苦ひとり旅になった瞬間。



実は行き過ぎで、引き返し横に歩けそうな道っぽいものがあったのでそこを行くと入り口に着いた。冬に行くもんじゃないな、と実感。



水は何も変わらず流れている



五百羅漢。先に来た人か観光協会の人かが雪をはらってくれていた模様。あたり一面雪だったのでもしはらってくれていなかったら気付かなかったと思う。



今来た道を戻って卯子酉様に行こうかと思ったけれど、予定を変更して程洞のコンセイサマに行くことにする。が、この路面状況・・・タイヤの跡はあるけれど足跡はなし。



非常に歩きづらい道を700mほど歩き程洞稲荷神社入口に到着。ここまで歩いてくるのにもう汗だく。しかしこの後さらにきつい道が・・・



むかう途中に振り向き一枚。雪のせいで道かどうかすらわからない。足跡が深い。雪が落ちたり木々が揺れたりする音を聞くだけでビビッてしまう。



心臓バクバク状態でようやく鳥居到着。しかし見上げるとまだまだ先に・・・




さらにのぼってようやく到着。子宝関係らしい。ここまでのぼって来る強い気持ちがあれば確かに子宝に恵まれる気がする。








コンセイサマのあの雪道をもう一度戻り、さらに五百羅漢までまた雪道700m、そこからスタート地点まで戻るというkm単位の地獄徒歩の後に卯子酉様到着。縁結びを願う人の思いが赤に染めていた。



五百羅漢周辺の風景。いいねえ。



午後は見学ツアー。遠野市立博物館、とおの昔話村、遠野城下町資料館に行く。3館共通券があるのでそれを買うと1館ずつ買うよりお得。まずは遠野市立博物館へ。
入ってすぐのシアターが良い。遠野の歴史と昔話が見られる。語りの方言と昔話独特の絵がとても魅力的だった。『やまはは』が一番面白かった。
そこを過ぎると遠野の自然とくらし、遠野の民俗学が展示されている。昔の人の生活道具が多く展示されていて、一つ一つじっくり見られる。伝承園にもあったオシラサマのことなどの民間信仰や農耕などの生活風景も写真などで多く展示されている。遠野の民俗学では、多くの資料が展示されていて、予備知識がなくても展示コーナーを一周すると遠野と民俗学についてよくわかるようになっている。



続いてとおの昔話村へ。中には柳田翁の像が。あまりにも強烈すぎる影響を残したことにより未だに賛否両論あるけれど、やはりこの人が残した功績は素直に偉大だと思う。決めつけられたり排除されたりしたものはややかわいそうだけど。とにかく素晴らしいお方。







とおの昔話村。主に柳田國男翁について多数展示されている。二階に行くと生前収録された柳田翁の肉声も聞ける。物語蔵には遠野地方に語り継がれてきた昔話が多数映像で楽しめる。もちろん方言で語られている。建物や展示されている資料は非常に貴重なものばかりだったけれど、伝承園、遠野市立博物館と回ると民俗学についてはかなりかぶる部分が出てきたのが残念。他でも見たものがまたあった。


写真はないけれどこの後遠野城下町資料館に行った。お客が自分一人だったので入口で券をもぎったおじさんがそのまま説明員になってくれた。遠野は親切な人ばかりだ。ありがとう。
今まで回ったところとは異なり、城下町としての遠野、交易の拠点としての遠野の姿を見ることができた。中には兜や鎧、非常に細かい仕事されている美しい打掛や、キセルや陶器などといったものが多数展示されている。それぞれの物についておじさんが詳しく説明してくれたのでただ見るよりも勉強になった。


遠野城下町資料館を見終わるともう時間が迫っていたのでチャリを走らせ民宿に戻る。荷物を取りおじさんにお礼を言って発つ。おじさんに気に入られたのか、とにかくおじさんは気さくにいろいろな話をしてくれた。泊まった日の夜も、次の日の朝も、そして最後に戻った時もおじさんは「新しい場所で落ち着いたらハガキ送ってちょうだい」と言っていた。話好きなおじさんは人の話を聞くのも好きなようだった。泊まっただけの関係では終わりたくないな、とこっちも思っていたのでもちろん春になったらハガキを書く。
いい旅でした。遠野、素敵な場所でした。そして、カッパ、見つかりませんでした。