『占星術殺人事件』を読んだ

プロローグの1ページを読んでひきつけられない人はいないだろう。「登場人物の誰にも犯行を成すことは絶対に不可能であり、犯人は完全に(この表現にはいささかの誇張もない)見あたらなかった。」と書いてあり、なおかつ事件から40年経った今でも謎が解けていないと書かれていれば「読んでみたい!」と思ってしまう。
約四半世紀前に発表されたこの作品のこのトリックは衝撃的だ。発表された時はさぞかし話題になったと思う。40年間数多の者が挑み敗れた謎がこんなにも簡単だったとは、と御手洗潔の話を聞く登場人物と同じ思いになった。
ボリュームがあったけど途中やや脱線気味なところと謎から離れた行動が後半にあったのが残念だった。
あと、どこかであったような、という感覚で読んでいてトリックの時にさらにその感覚が強くなった。なんだっけ、と思って調べたらあのマンガに同じトリックがあった。このマンガのほうを先に読んだので、もしこのマンガを読んでいなかったら謎解きの衝撃はさらにすごかったと思う。

占星術殺人事件 (講談社文庫)

占星術殺人事件 (講談社文庫)